私は左足に障がいを持っており、装具をつけ、杖をつかないと歩けない状態です。そんな私だからこそ、街中で行われている障がい者への対応、もしくは障がい者の行動に他の人よりも注目してしまう癖があります。
たとえば、身体に障がいを持っている人を電車で見たら、席を譲ってあげている人がいたり、車いすに乗っている人が来たら、邪魔にならないように移動していたり、そんな行動が他人よりも目についてしまうのです。
一見、平和的で微笑ましい行動に見えますが、私はそれらを目にすると、よくこんなことを思います。
「甘えるな。甘えさせるな。」
障がいを持っている私だからこそ、障がいを持っていない人、障がいを持っている人に向けて、伝えられることがあります。障がい者について少しでも考えたことがある人に、障がい者だからこそ持っている“想い”を共有したい。
- あなたは障がい者にどんな対応をしてますか?
- あなたが障がい者であれば、どんな行動をしてますか?
このことを今一度、省みるきっかけになれば嬉しいです。
障がいを持っていない人へ
街中で障がいを持っている人を見かけた時にあなたはどんなことを感じますか?。
「助けてあげなきゃ!」「何か困っていないかな?」「大変そう」
こんなことを考える人は、直ちに考え方を改めてください。
障がいを持っている人は、自分たちのことを一番わかっています。助けてほしい時は、助けてほしいことを伝えます。
障がい者を甘やかしてはいけません。
僕たちは、何ができて、何ができないかを一番知っています。
自己満足で僕たちができることを奪わないでください。
障がい者がしてほしいことは?
では、どんな接し方をしてほしいのでしょうか。
それは、障がいを持たない人と同等の扱いをすることです。
やりたいことはやりたいし、できることなら同じようにやりたいと思っています。
同じ人間だからこそ、同等の扱いをしてほしいと願っています。
自分たちは自分たちのできることを精一杯しているからこそ、それを認めて欲しいのです。
助けなきゃと思うのではなく、ただ他の人と同様の扱いをしてくれれば嬉しいです。
障がいを持っている人へ
障がいを持っていることをどう思っていますか?
「自分は障がいを持っているからこんなことができない、できなくていい」
と思ってはいませんか?
このようなことを思っている人も、やはり考えを改めた方がよいでしょう。
決して、障がいのせいにして甘えてはいけません。
僕たちは、障がいを持っているからこそ、自分でできることは自分でやらないといけません。
人間の命題は、「自立」だ。
私たち人間の命題は「自立」です。傍にいてくれる親もずっとは生きていません。
幸い私は、親から甘やかされることなく育てられてきました。
前述したように、幼いころから左足が悪く、左足に装具をはめて、杖をつかないと歩けませんでした。
しかし、私は水泳もやり、サッカークラブにも入りました。スキーも滑ったことがあります。
自分がやりたいと思ったことは、すべてやらせてくれました。もちろん中には、できなかったこともあります。
でも最初から「できない」と甘えていては、自分が「できること」も「できないこと」も分かりませんでした。
自分だからこそできること、どのタイミングで他人の手を借りるべきかを把握するためには、できないかもしれないけど、自立してやらなければいけません。
障がいは個性である。
障害を持っていることは個性です。
あなたにしかないものを持っているということです。
あなただからこそできることがあります。
マイノリティデザインの著者、澤田智洋さんも、以下のように表現しています。
あなたが持つマイノリティ性=「苦手」や「できないこと」や「障害」や「コンプレックス」は、克服しなければならないものではなく、生かせるものだ。弱さを受け入れ、社会に投じ、だれかの強さと組み合わせる──。これがマイノリティデザインの考え方です。そして、ここからしか生まれない未来があります。
まさに、自分が何者かを知り、自分の売りは何なのかを考えることで、「障がい」= マイナスと考えるのではなく、プラスに変換することで、自分しかできないことが見えてくるのです。
私は、今「できないことはない」ことを高校生に伝えるために、総合型選抜の専門塾の塾長を勤めています。左足の障がいは、私にしか伝えられないことを教えてくれました。
「生まれ変わったら何になりたい?」と聞かれることがありますが、私はもう一度障がいを持って生まれたいと思っています。
障がいがないと、今の自分の考えにはたどり着けないからです。
あなたも、あなたしかできないことに気づき、自分のミッションを見つけてください。
一歩踏み出せない人は、私に連絡してきてください。
自信をもって伝えることができます。
あなたなら、何でもできる。
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