「損得勘定で人付き合いするのはよくない!」
「人間関係にメリットデメリットを持ち込むな!」
「人脈って言葉が嫌い!人のことを手段のように扱っているから!」
これらについて、あなたはどう思いますか?
僕はめんどくさいなと思います。
何がめんどくさいのかというと、説明するのがめんどくさいんですよね。
『本当に損得勘定で物事を考えられている人』と『きちんと人と向き合おうとしている人』は、結果的に同じ行動をしています。
ちょっと表現が長いので、
『本当に損得勘定で物事を考えられている人』を『真・損得勘定マン』、
『きちんと人と向き合おうとしている人』を『真・人と向き合ウーマン』
とします。
それなのに、「俺は損得勘定だぜ」とか、「損得勘定を持ち込むな!」など喋っている人は、ちゃんと考えられていないということなので、これを機にやめましょう。
さて、今回は『真・損得勘定マン』と『真・人と向き合ウーマン』が、同じ行動をしていることを証明します。
みんな他人を価値で判断している。
損得勘定で人付き合いする人がよく批判される理由は、彼らが見返りを求めて行動するイメージがあるからです。
たとえば、人が困っているときに、見返りがありそうな相手だったら助けるが、そうじゃなかったら助けないという感じですね。
でも『真・損得勘定マン』は、目先の利益が期待できなかったとしても、人助けをするんですよね。
これをギブ、幸福度、応援という3つの側面から解説していきます。
人にギブした方が出世する?
『真・損得勘定マン』は、他人にギブをしようとします。
なぜなら、自身の成功に繋がるからです。
世の中には、以下3種類の人間がいます。
- ギバー:受け取る以上に、人に与えようとする人
- マッチャー:与えることと受け取ることのバランスを取ろうとする人
- テイカー:与えられるよりも多く受け取ろうとする人
組織心理学教授として著名なアダム・グランドは、『成功』という尺度でみたときに、3種類の人間のうち、だれが一番成功しやすいのかを研究しました。
すると、成功者のトップにいるのが、ギバーだったということが分かっています。
優秀な学生や営業マンは、皆ギバーの特性を持っているんですね。
つまり、自分が得をしたいのであれば、相手にギブをしなければいけません。
では、『真・損得勘定マン』は、人に与えるということですよね?
以上のことから、「損得勘定で人付き合いする人」は、一見テイカーに見えるが、『真・損得勘定マン』は、ギバーであることが分かります。
人のためにコストを使うと幸福度が上がる?
『真・損得勘定マン』は、人のために時間やお金を使います。
なぜなら、幸福度が高くなるからです。
そもそも人に損得感情が備わっている理由は、人が幸せになることを人生の目的にしているからです。
お金をたくさん得ることや人間関係を良好にすることは、あくまで自身が幸せになるための手段にすぎません。
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つまり、誰であっても物事を判断する時の基準は、「これは自分の幸せに寄与するものかどうか」になるんですね。
では、人のためになにかをすることは幸せに繋がるのでしょうか?
スタンフォード大学心理学教授のルイス・ターマンによると、自分のためにお金を使うよりも他者のためにお金を使った方が幸福度が増すことが分かっています。
目先の利益が期待できないボランティア活動であっても、人生の幸福度は増すんですね。
さらに、他者を助けるために時間を提供する人は、忙しさが減って自由な時間が増えたように感じるそうです。
以上から、幸福追求が人生の目的である人間は、他人のために時間やお金を使うと幸福度が高くなり、『真・損得勘定マン』は、それをしているということです。
自分のためだけにしか時間やお金を使わない人は、逆に損得感情で考えられていないんですね。
人を応援した方が自分にとって得?
『真・損得勘定マン』は、他人のことを応援します。
なぜなら、長期的に考えると見返りが期待できるからです。
たとえば、ミュージシャン・YouTuber・アイドルなど、一見叶いそうもない夢を追っている人がいたとします。
上記のような夢は、一般的に「やめたほうがいいよ」と否定されがちです。
そんな中、自分だけが応援することによって、「あの人は応援してくれた」と成功したときに見返りを得られる確率が高くなるんですよね。
反対に、叶わなかったとしても特にこちらの損失はありません。
その人がより夢を追えるように、アドバイスや声かけをするだけで、将来的に大きなメリットになるかもしれないんです。
つまり、応援は誰でも簡単にできる投資なんです。
- 人に与える(ギバー)
- 人のために時間やお金を使う
- 人を応援する
は、一見『真・人と向き合ウーマン』だけがやりそうな行動です。
しかし、以上をみてみると、『真・損得勘定マン』も同じ行動をすることが分かります。
自己犠牲的な人付き合いは甘えを作り出す。
さて、ここからは「自分は損得勘定ではなく、人と向き合っている!」と主張する人がやりがちな迷惑行為を明らかにします。
「人と向き合っている」とあなたが思っているだけで、実は向き合えていないのかもしれませんよ。
自己犠牲って本当にいいの?
ときどき「自己犠牲的に人のために尽くすことが良い」と語られますが、それは相手と向き合う上でも、損得勘定という視点でもNGです。
「溺れている人を助ける」などの緊急時は例外として、自己犠牲的に援助すると、相手はあなたのことを見下し、甘えるようになるからです。
自分で何もしなくても得られることを知った人間は、努力しようとは思わなくなるのです。
これは、過保護な親の子どもに思考力がない構造と同じです。
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相手の思考力を奪わないように、また自分の価値を下げないように適度に援助行動をしましょう。
「なんでもかんでもやってあげたい」と思うのは、あなたが自分の行為に陶酔しているナルシストだからです。
あなたの援助行動は、本当に相手のためになっていますか?
「相手のために」と主張するエゴイスト
「これは相手のためなんだ!」
「絶対にこっちのほうがいい!」
と自分の主張を相手に押し付けてしまっている人もいます。
これは、「相手のため」という言葉を盾にして、支配欲を満たそうとしているエゴイストです。
愛するとは、 『自分のしたい』が『相手のして欲しい』とマッチしている状態のことです。
これは、需要と供給の関係性であり、損得勘定の話でもあります。
供給が上手な人は、相手の需要を満たすことができ、愛されることができます。
(供給しすぎは、前述したように舐められるのでやめましょう。)
押し付けは愛ではなく支配、供給上手は愛される。
あなたが言う「相手のため」は、支配欲を満たそうとしているだけではありませんか?
まとめ
以上から、『真・損得勘定マン』と『真・人と向き合ウーマン』は、結果的に同じ行動をしていることが証明されました。
また、
- 人のために時間を使わないくせに「損得勘定だ!」と言っている人は、全く損得が考えられていない大赤字人間。
- 「人のために」と言っているくせに、相手のためにならない行動をしている人は、ナルシストやエゴイストである。
ということも分かりました。
つまり、あなたがどんな価値基準で人と関わっていたとしても、その結果が世のため人のため自分のためになっていたらOKということです。
損得勘定がダメ、向き合うのがダメなのではありません。
以上を通して、あなたは今後どのような行為をすべきでしょうか?
考えてみてください。
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