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てこの原理のように小さなチカラを大きなチカラに変え、

『社会の常識、ここ変じゃない?』を変革する。

常識を変革するためには、小さなチカラを大きなちからに変換する必要です。

小さなチカラを大きなチカラに変換できない原因は、

社会で勝手に常識と決められた「しがらみ」です。

そのしがらみに「おかしくね?」とテコ入れするしていきます。

小さい力で、社会を変える大きな力を一緒に育てていくメディアです。

編集者ってどんな仕事なの?数々の名著を編集した、人気編集者にインタビューしてみた。

岡内

竹村さん本日はよろしくお願いします。

数々の名著を担当された竹村さんから、編集者の業務内容ややりがいなどをお聞かせいただきたいと考えております。

<今回のゲスト>
竹村俊助(たけむら しゅんすけ)
株式会社WORDS代表取締役。経営者の顧問編集者。

ダイヤモンド社等を経て2018年に独立。『メモの魔力』前田裕二著、『福岡市を経営する』高島宗一郎著、『佐藤可士和の打ち合わせ』佐藤可士和著など書籍の編集・執筆。SNS時代の「伝わる文章」の探求をしています。著書に『書くのがしんどい』(PHP研究所)がある。

竹村

よろしくお願いします。編集者の仕事とひとことでいってもいろいろあります。ぼくがやってきたのは主に本の編集なので、その話をしますね。

本の編集の仕事はかんたんに言えば「こういう本があったらいいな」と考えて、「それを実現するにはどうしたらいいんだろう」と考えて作っていく仕事ですね。

岡内

企画する人と編集する人って別なんですか?

竹村

一緒ですね。厳密には会社によって違いますが、基本的に企画・構想から実際の編集業務までをひとりの編集者が担当することがほとんどです。

たとえば『恐竜図鑑』が作りたいと思ったら、恐竜に詳しい先生を見つけてきて、恐竜のイラストを描ける人、本のデザインができる人が必要ですよね。

そこで恐竜に詳しい人をインターネットで調べる。すでに本を出している人でもいいですし、博物館の研究員とか大学の教授に会いに行って「こういう本を作りたいんですけど、書いてくれませんか?」ってお願いします。

岡内

プロデューサーみたいな仕事ですね! 
本の編集はもちろん、マーケティングみたいなこともやりながらってことですよね。

竹村

そうですね。「どういう本なら売れそうか?」というマーケティングの視点は大事ですね。

岡内

竹村さんの中で「こういう本があったらいいな」っていうのはどうやって見つけているんですか?

竹村

僕は「自分が読みたい本を作る」スタイルなんです。たとえば、話し方がうまくなりたいと思ったら「話し方の本を作ろう!」という感じです。

僕が読みたい本ではあるんですが、僕の他にも何万人の人が「こんな本ないかな?」って思ってくれているはずなので、結果的にたくさんの人が買ってくれるんです。

なので、まず自分の悩みを考えて、企画を作っています。

岡内

自分の悩みを解決できて、仕事になるって…
編集者ってめちゃくちゃ楽しいですね!

竹村

そうですね。自分の悩みをスゴい人たちが解決してくれる感じですね笑。

会いたい人にも会えるし、自分の悩みをぶつけることもできるし、めちゃめちゃいい仕事です笑。

目次

編集者の具体的な仕事内容は?

岡内

著者はどうやってキャスティングしてるのですか?

竹村

いろんなパターンがありますけど…

いちばんわかりやすいのが、すでに本を出している人の中から「この人はこのテーマで書けるんじゃないか」って思って依頼するパターン。あとは、Twitterでフォローしている人で面白そうな人がいたらその人に依頼するパターンもあります。

企画も2パターンあって、「悩みからから始まるパターン」だけでなく「会いたい人がいて、その人に何を聞きたいか考えるパターン」もありますね。

岡内

なるほど!
依頼や交渉は、手紙を書くんですか??

竹村

そうですね。手紙を書く場合も多いですね。
週刊文春の編集長に依頼したときは、手紙を書きました。

岡内

そういったのも編集者の仕事なんですね!

竹村

そうですね。作者を口説くのも仕事です。
映画でいうと監督みたいなものです。

だから、最悪自分が何もできなくても
最初と最終のイメージがあれば何とかなるんです。

岡内

ちなみに、出版社のお金まわりが気になるのですが…
著者に関しては印税ですか?

竹村

そうですね。10%の印税が基本です。

岡内

新卒など若手の編集者ってどういう業務なのですか?

竹村

若手の編集者は、まず最初の一冊を先輩の編集者について覚えることが多いです。そこで独特な赤字の入れ方を覚えたりしますね。

でも、二冊目くらいからは自分でやることが多いんじゃないでしょうか。僕の場合も2冊目からは自分一人でやっていました。やりながら覚えるスタイルですね。

岡内

意外とすぐ独り立ちするんですね!
(てことは、新卒からバリバリ働くことも可能なのか)

編集者さんもいろんな方がいると思うんですが
竹村さんは何が他の人と違うとおもいますか?

竹村

Twitterじゃないですかね笑

他の編集者と差別化するためには「インターネットを使うのがよさそうだな」って前々から思っていました。なので、イケダハヤトさんとか、かっぴーさんとかネットで影響力を持っている人の本を作って、Twitterで絡んでもらったりとかしてちょっとずつ存在感を出していきました。

岡内

なるほど!!そういう仕事での付加価値もあるんですね。

最初のアポから、出版までってどのくらいの期間かかるものなんですか?

竹村

平均だと1年から1年半。最短では半年とかですね。文春の本とかはめちゃめちゃスムーズにできたので半年くらいでできましたけど、佐藤可士和さんの本は1年以上かかってますかね。

岡内

ものによって全然違うんですね。
ちなみに、いい本を出すときって何が一番大切ですか?

竹村

「ネタ集め」が一番大事ですね。中身さえ良ければ後は何とかなりますから笑

岡内

ネタ集めなんですね!!
文章能力っていうよりも、インタビュー能力とかマーケティング力みたいなスキルが大事になってくるんですね!

今日お話を聞くまで、編集者って「文学大好き」みたいなイメージあったんですが、コミュニケーション能力がないと難しいんですかね?

竹村

そうですね。小説の編集者だとまた違って、全然会話が下手でも感想や、フィードバックが鋭かったりとか感性が高い人だったらできると思います。

でもビジネス書は、相手が経営者とかビジネスパーソンの方が多いのでコミュニケーションができるほうが有利だとは思います。

とはいえ、流暢に話せる人なんてそんなにいないですけどね笑。
僕もバーッて喋るタイプでは全然ないし、まわり見ててもぼそぼそっとしか話さない編集者もめっちゃいます笑

竹村

著者が割と圧が強い時、編集者も圧が強いと大変なことになるので、聞き役に回れる人が編集者でも向いているかなって思いますね。

なので、編集者は「聞き上手な人」が向いていると思います。

本をヒットさせるには?

岡内

「本を出したい」と思ってる人って多数いらっしゃると思うんです。

芸能人でもないし、有名人でもない人たちが、本をヒットさせるにはどうしたらいいですかね??

竹村

最近は、あんまり著者名とか有名度は関係ないですよ。

それより、テーマとか中身が大事だと思います。一応、テーマとか中身とかを語るに値する経歴があるかどうかは大事ですが。

逆に有名であっても初版で終わる人も多いですし。あまり知名度と部数は相関しないかもしれないですね。

岡内

そうなんですね!意外です!!

竹村

ある分野にはめちゃくちゃ詳しいとか、「これ知ってます」っていうものがあれば、編集者の目に止まりやすいですね。

今はnoteとかTwitterとか発信するツールはいっぱいあるので、こういった場所で書き続けて編集者の目に止まるのを待つといいんじゃないでしょうか。

岡内

代名詞になるような特徴をアピールできれば、誰でも可能性があるわけなんですね!

顧問編集者とは?

岡内

竹村さんは、「顧問編集者」として活動されていると思うんですが、この顧問編集者について教えてください!

竹村

顧問編集者はかんたんに言うと、経営者の隣に編集者としてついて、経営者の言葉を磨いて、しかるべき人に伝える仕事ですね。

岡内

具体的には、どんな業務内容なんですか??

竹村

週に一回、社長さんにお会いして、お話を伺います。それをツイートにまとめたりnoteの記事にまとめたりしています。

岡内

(社長の代弁者のようなものか!)
顧問編集者をやろうと思ったきっかけってあったんですか??

竹村

gumiっていう会社の國光さんが、新サービスを立ち上げるときに、「なぜこのサービスを始めるか」をnoteでもちゃんと発信したいとおっしゃっていて…

國光さんのことを取材して記事にしたら、けっこう多くの人に読んでいただいたんです。

岡内

さすがすぎます!

竹村

この経験から、noteとかTwitterって自分でできるけど、そこに「編集者」がいないことに気が付いたんです。

雑誌とか書籍とかだともちろん編集者はいるんですけど、自分のnoteとかTwitterとかには編集者がいない。そこに編集者としてつけば、価値が出せるんじゃないかと思ったんです。

岡内

たしかに!

竹村

本は、買ってもらわないと読まれないわけですよね。ネットは無料で読めちゃうものが多いので、出版業界にいた編集者が同じようにネットで編集すれば、反響がある記事になるわけです。

これは、「仕事になるな」って。それが顧問編集者になるきっかけですね。

岡内

ネットの時代だからこそ、まさにこれからの時代に求められるお仕事なんですね!

竹村さんの今後について

岡内

竹村さんの今後の展望をお聞かせください。

竹村

「次世代の出版社」を作るつもりです。そのためにまずは、顧問編集者などできっちり企業にも貢献できる事業を進め、会社の基盤を準備しています。

岡内

「次世代の出版社」っていうのはどういうイメージなんですか?

竹村

デジタルで出すのか、紙で出すのか。コンテンツに合わせてメディアを選んで伝えられるというのが次世代の出版社のイメージです。

これまでの出版社って、「紙の本を書店で出版させる」みたいな固定観念があったと思うんです。でも出版社って英語だと「パブリッシャー」つまり、「公にする」っていうのが本来の意味なんですね。

なので、もちろん紙の本っていうチャンネルも持つんですけど、別にそれにこだわらず、SNSとかでもいいし、冊子ぐらい薄くてもいいし、「それぞれにあった伝え方をする」のが次世代の出版社かなと思っています。

岡内

紙の本=出版ってイメージは確かにあります。でも時代が変わっていますから、SNSやデジタルでの出版もありですよね。

ちなみに、なぜそういう風に思ったんですか?

竹村

出版業界の「売れる本」至上主義みたいなところが嫌なんです。もちろん経営目線だと正しいんですが、売れない本はさっさと見切って次の本作った方がいいって考えが嫌で…

著者も一年かけて書いて、初速3日でそんなに売れないなったら切り捨てられるって悲しいですよね。「こういうところで売ってみよう」とか「紙の本がダメならwebの記事にして発信していこうとか」いろいろやり方はあると思うんです。

もうちょっと作り手側と、編集者側が主導権もってやれるやり方があるんじゃないかな。

岡内

なるほど… たしかに、1年間も一緒に作り上げてきた作品に対して、そこまでドライになれないですね。

(でも経営目線だと仕方ないことなのかな…)

竹村

出版って本当はちゃんと思いがこもってたりとかお金にはかえられない何かが本当は詰まっているのに、営業に渡った瞬間に全部「株券」みたいになるんですよ。

値上がりする株にはどんどんつぎ込むんだけど、値下がりするものには全然投資しないというか…

この辺にしときます笑

岡内

(誰よりも出版に対して熱い想いがあるからこそなんだろうな…)

「次世代の出版社」としては、どんな本を出版していきたいですか?

竹村

「売れる本」だけでなく、もっとバラエティー感のある面白い本を出していきたいなと思います。

一部のファンが喜びそうな本とかももっとあってもいいと思うんですよね。

岡内

「売れる」「売れない」の前に、世の中に求められている本を作っていきたいってことなんですね!

若者にむけたメッセージ

岡内

最後に、若者に向けたメッセージをお願いします。

竹村

あんまり「大人の言うことを聞きすぎないでね」っていうことですかね。

これからは常識も変わっていくし、何が「正解」か誰もわからない。そんな中、新入社員に「新入社員はこうすべき」とか「若い人はこうあるべき」みたいなことをいう人もいるんですけど、敬意を払いつつ、信じ切らなくてもいいと思うんです。

「未来を自分で作っていく」ぐらいの心構えでいて欲しいですね。

岡内

常識が変わっていくからこそ、「自分の未来は自分で作っていこう」ということですね。勉強になります。

本日は、ありがとうございました。

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この記事を書いている人:
岡内 大晟(おかうち たいせい)
大阪生まれ。高等学校教諭一種免許取得。

教育実習にて、社会に出るための勉強を教えるはずの自分(教師)が、全く社会のことを知らないことに葛藤を覚え、サラリーマンの道へ。400人以上の経営者へのインタビューを経験し、『型にハマらない』行動や選択をしている人が社会で大成していることを実感し、『可能性を伸ばす教育』を高校生に提供することを自身のミッションにする。

その後、高校生を対象に総合型選抜専門塾の校舎長として進路指導に従事。 全国の高校で講演活動も行う。 その傍ら、インタビュアとして2社。編集長として1社のオウンドメディアの立ち上げに従事。

<取材・文・編集=岡内大晟@okauchi_kyoiku

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この記事を書いた人

大阪生まれ。高等学校教諭一種免許取得。

教育実習にて、社会に出るための勉強を教えるはずの自分(教師)が、全く社会のことを知らないことに葛藤を覚え、サラリーマンの道へ。
400人以上の経営者へのインタビューを経験し、『型にハマらない』行動や選択をしている人が社会で大成していることを実感し、『可能性を伸ばす教育』を高校生に提供することを自身のミッションにする。

その後、高校生を対象にAO入試専門塾の校舎長として進路指導に従事。
全国の高校で講演活動も行う。
その傍ら、インタビュアとして2社。編集長として1社のオウンドメディアの立ち上げに従事。

<取材・文・編集=岡内大晟@okachi_kyoiku>

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